■日 時
  2012年5月28日(月) 18:40(5分前までに集合下さい)

■テーマ
  東京近郊第三セクター鉄道の経営 -埼玉高速鉄道延伸問題等から感じたこと-

■講師
  髙松良晴(たかまつ・よしはる)氏
  元JR東日本 副社長、日本鉄道建設公団 副総裁
  1939年生まれ。62年 東京大学 土木工学科卒。同年 日本国有鉄道入社。
  岐阜・東京・下関各工事局、新潟鉄道管理局、建設局、経理局、経営計画室など。
  85年 運輸省 大臣官房 国有鉄道部。
  87年 JR東日本入社。東京工事事務所、経営管理部、建設工事部、東北地域本社、関連事業本部。
  97年 日本鉄道建設公団 副総裁。
  2001年 (財)運輸政策研究所 特別研究員。
  02年 埼玉新都市交通(株) 鉄道主任技術者。
  05年 ジェイアール東日本コンサルタンツ 顧問。
  09年 NPO法人つくしくらぶ 事務局、埼玉高速鉄道検討委員会など。
  土木学会名誉会員。

今回の講師は、元JR東日本 副社長、日本鉄道建設公団 副総裁の髙松良晴氏です。40年間にわたり在来線改良工事や新幹線建設に従事され、自らを「趣味はトラベル、仕事はトラブル」のぽっぽや人生だったと称されています。昨年、『もう一つの坂の上の雲 鉄道ルート形成史』(日刊工業新聞社)を上梓されました。

A5版で400ページ以上という大労作で、「我が国への鉄道伝来となる蒸気車の模型をペリー提督が江戸幕府に贈ってから160年近く経つ。鉄道のルート形成という視点から、明治・大正の在来線幹線網の形成や私鉄の勃興については文献を紐解きながら、昭和・平成の新幹線・都市高速鉄道の整備については、自らの見聞を思い出しながらその折の記録・資料を読み返し、我が国の鉄道伝来から現在の鉄道ネットワーク構築までを追ってみた。」書です。読み切るには大変なエネルギーを要しますが、鉄道の未来を開く志を持つ者には必読の書です。

第37回交通図書賞の第2部「技術」において、「各ルートの概要や建設過程に加え、構想が実現に至った経緯、それを開業に導いた現場スタッフの苦労などにも言及している」点が高く評価され、受賞図書に選ばれました。

髙松氏は、国鉄時代からの各所の鉄道の計画や建設の他に、ここ20年間に開業した東京近郊第三セクター鉄道の計画や建設には全て関わっていらっしゃいます。また、鉄道の万全の安全を再構築するために「再び、脱線実験線を作れ!」(日本学術会議「安全工学シンポジウム2008」)を持論とされています。

これだけの経験と識見をお持ちの大先輩が、我々現役の鉄道マンや鉄道を志す者に、実体験に即したお話を下さる貴重な機会です。以下、ご本人からの当日のお話に関するご紹介です。

私こと、ここ10年近く、地下鉄7号線(埼玉高速鉄道)の浦和美薗から岩槻までの延伸について、埼玉県・さいたま市の検討委員会等に参加し、本年3月には、2回目の検討委員会報告書を提出させていただきました。その議論の過程で、私自身が計画・建設に関わった常磐新線(つくばエクスプレス)、自ら実際に運行及び経営に当った埼玉新都市交通(ニューシャトル)など第三セクター鉄道での体験が、よく思い出されました。

社会インフラ、特に交通インフラは、多くの方々に使っていただけなれば意味がありません。それだけに、第三セクター鉄道のあり方、特に経営構造について、夢みたいなことを考えておりました。それらの感慨を「東京近郊における第三セクター鉄道の経営」との表題で、少数異見ですが、一鉄道OBの想いとしてお話申し上げたく思っております。

■場 所
  豊島区立勤労福祉会館5階 第6会議室 池袋駅西口徒歩7分

■タイムテーブル
  18:40~19:20 講師による講義
  19:20~19:40 参加者の自己紹介
  19:40~19:50 休憩(軽食を用意)
  19:50~20:40 講義のまとめ+フリーディスカッション
  20:40~21:20 懇親会(同会場にて希望者のみ)

■参加対象者
  職業として交通に関わっているまたはそれを希望している方

■参加費
  社会人3,000円、学生1,000円、懇親会1,000円(希望者)

■「交通ビジネス塾」とは?
  交通分野の第一人者をゲスト講師としてお招きした勉強会で、ほぼ月に1回
  のペースで開催しています。交通問題の解決を志す同志の出会いの場、交通
  ビジネスが生まれる場、人材育成の場となることを目指しています。