不祥事の続くJR北に対する国の厳しい処分が発表され、昨日の読売・朝日・毎日にて1面トップでした。各紙の社説を全て整理している便利なサイトを活用し、JR北問題を取上げた読売・朝日・毎日・北海道・信濃毎日・高知新聞の社説を整理しました。
 各紙ともJR北を徹底糾弾し国の厳しい処分は当然とする一方、根幹原因に迫る分析や論説は不充分です。以下にマークを付けました。
  ①根幹原因の解決に向けた問題提起
  ②  〃  の結果として起きた重要な事実の指摘
  ③  〃  を斟酌しない表面的な論評
  ④  〃  の解決後に適正に対処して解決できる問題
 ①は、一般論・抽象論ばかりで具体論に欠けます。地元紙の北海道新聞が、北の鉄路を守りたい気持ちに基づき、「十分な対策には資金と人材の裏付けが欠かせない」「政府も単に命令を発するだけでなく、現路線の維持を前提に具体的な支援策を示すべき」と問題提起しているくらいです。
 ②は、根幹原因を明確に指摘するものはありません。根幹原因は、経営安定基金の運用益減と高速道路無料化等の民業圧迫により賃金抑制・要員削減・投資先送りせざるを得なくなったことです。その結果として起きた重要な事実がいくつも指摘されています。
 ③は、何紙もが社長解任や外部人材登用を求めますが、自民党の石破幹事長が「誰が経営しても無理」と発言しています。 根幹原因にメスを入れない限り「誰が経営しても無理」ですし、メスさえ入れれば「適任者が経営すれば抜本解決」できます。
 ④は、何紙もが組合問題を挙げていますが、組合が先鋭化した根幹原因は、賃金抑制・要員削減を進めて報酬と労働条件を悪化させた上に、現場が真摯に求めた工事要求の一部未実施を20年間続けたことです。組合問題は原因ではなく結果であり、賃金・要員・投資の適正化こそが求められます。
 私も取材を受けた朝日新聞「耕論」にて、仁杉元国鉄総裁はご自身の体験に基づき「安全を確保する大前提は端的に言うとカネと人。お金がなければ、たとえやりたくてもできない。労使関係も最終的には財源次第という面がある。」と言われました。
 新年ご挨拶の3つ目にJR北問題を挙げました。社会の関心が高まり、JR北の経営を抜本的に改革する、もっと広く言えば地方の交通を維持・活性化する仕組みを構築する、1987年の国鉄改革で積み残された問題を解決するチャンス到来です。